中村補佐は当館の開設準備から関わっているメンバーの一人で、当館がまだ"準備室”だったころ、京都大学総合博物館・京都大学考古学研究室とともに共同研究を行った「雲部車塚古墳研究会」のメンバーとして関わってきました。
その成果を活用し、「雲部車塚古墳」の展示コーナーを担当しました。
当館の展示の中でも朱色の壁が目を引き、ひときわインパクトのある展示となっています。
今回は調査研究の成果と、展示の見どころについてのお話です。
講演はQ&Aの形をとり、
「ぶっちゃけ、どないや?」
という疑問に対して回答する、という形で構成されていました。
「なぜ、「陵墓参考地」になったの?」
「副葬品にはどんなものがあるの?」
「展示のどこを注目すればいい?」
「なぜ、盆地の奥に造ったの?」
「誰が葬られているの?」
「実際のところ、どの程度の古墳なの?」
といった、皆さんの知りたいところに的確に答えていきます。
その合間には開館時のエピソードもあり、雲部車塚古墳の魅力を余すことなく紹介しました。
講演会に予約してご参加いただいた皆さんからは、
「Q&Aの形がわかりやすかった」
と評判でした。
三角板鋲留異形衝角付冑、
横矧板鋲留短甲、
革綴短甲、
鉄柄矛、
須恵器、
埴輪、、、、
出土品からうかがえる築造年代の根拠や、多種にわたる武器・武具類。
そして、
竪穴式石槨と長持形石棺を合わせ持つことの意味、についても触れ、当時、山陰道最大の古墳である雲部車塚古墳の被葬者像を推定するヒントを提示しました。
これからも、雲部車塚古墳やひょうごの古墳がもつ魅力を発信していきますので、どうぞ、おたのしみに。