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#自宅でも考古博 10「ウィルス退散!のいま・むかし」

 当館の展示ケースの中でも、特に背の高いのがテーマ展示「社会」にある「人形ケース」です。中には、人、馬、舟などの形をした木製品が展示されていて、それぞれ人形(ひとがた)、馬形(うまがた)、舟形(ふながた)と呼ばれています。
 これらは豊岡市の袴狭遺跡群(はかざいせきぐん)から出土したもので、奈良時代~平安時代に使われたおまじないの道具です。木製祭祀具(さいしぐ)と総称されており、袴狭遺跡群からは1万点以上も出土しています。

ひとがたケース

 これらの木製祭祀具は、6月と12月の1年に2度行われる大祓(おおはらえ)という儀式で主として使われたようです。大祓とは、半年の間に知らず知らずのうちに溜まった罪や悪いものをとり除き、無病息災をお祈りする儀式で、当時は都や各地の役所で公的行事として行われました。
 現在でも宮中を始め、全国の神社などで行われています。

湊川神社(神戸市兵庫区)の大祓
(羽生結弦さんのプログラム「SEIMEI」の決めのポーズです)


 
現代の人形、動物形、車形の一例。紙製


(古代の大祓の想像図)

 おはらいの方法は、人形に息を吹きかけ、人形で体をなで、体に溜まった罪や悪いものを人形に移してしまいます。そのため、人形の別名を「撫でもの」ともいいます。悪いものを移しやすくするためか、人形には役人の顔が描かれているものもあります。なかなか個性的な顔もあります。

(顔が描かれた人形:袴狭遺跡群出土/豊岡市)

 儀式の最後に、人形を水に流します。そうすることで、体に溜まっていた悪いものは人形と共に流れ去ってしまう、という仕組みです。

 現在、世界では新型コロナウィルスが蔓延していますが、このような病気の流行は人類の歴史の中で何度も繰り返されてきました。古代の人々はそれに対し、国を挙げて「おまじない」をするなどして対抗しました。

 そして今、私たちには科学的知識があります。広く情報を共有する手段もあります。昔と同様、国も県も様々な手段を講じています。
 私たち個人がこの病気に対抗するためにできる現代の「大祓」、それは「#おうちにいよう」。昔の人が様々な難局を乗り越えてきたように、私たちもがんばりましょう。人形たちもお会いできるのを待っていますよ。
(学芸課 中村 弘)

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