加古大池 |
考古博物館に隣接する弥生の集落跡、史跡大中遺跡では竪穴住居の復元プロジェクトが続けられています。
このプロジェクトはため池環境の保全を進めるいなみ野ため池ミュージアム、里山林の保全に取り組むひょうご森の倶楽部、史跡の保存整備と活用に取り組む兵庫県立考古博物館と博物館の支援ボランティアグループひょうご考古楽倶楽部、地域活動と建築技術の実戦を行う国立明石工業高等専門学校が共同して行っているものです。
大中遺跡には竪穴住居プロジェクトが復元した3棟を含めて8棟の竪穴住居があり、現在9棟目の建築を行っています。
今日はこれらのグループが共同して竪穴住居復元に必要な屋根材調達のため、加古郡稲美町の加古大池でのヨシ刈りを行うこととなりました。
参加者のみなさんは、9時半の集合時間をきっちり守られ、まずミーティングです。
本日の復元プロジェクト責任者、考古博物館企画広報課長からの挨拶により、いよいよ行動開始です。
昨日は冬型で風が強く大変な一日でしたが、今日は穏やかで絶好のヨシ刈り日和です。
大空に伸びるヨシ |
ヨシ原が広がります。
ぬかるみに戦場に架ける橋を敷設します。
さあ、始まりました。
赤米刈り取りにも使う、稲刈り用の鎌を使います。
こんなふうにまとめます。
トラックに乗せる場所まで運びます。
お腹ぺこぺこです。
ため池と言えば香川県が有名ですが、兵庫県はため池の数が4万箇所以上あり、実は全国一ため池の多い県なのです。
そのなかでもここ加古大池は、いなみ野台地の中にあり、江戸時代(17世紀中期)に築造された兵庫県で一番大きなため池で、満水面積が49ha、甲子園球場の約12倍の大きさです。
1haもあるヨシ原が保全されており、多くの野鳥がやってきます。
自然の浄化作用の重要な場所となるヨシ原のヨシを刈るのは、枯れて沈殿して腐敗するのを防ぐ、今年出る新芽の成長を助ける、越冬する害虫の卵などを駆除するなどの効果があります。
万葉集約4500首を調べると、奈良時代には「アシ」と言われる言葉が多く見られますが、「ヨシ」という言葉はなく、平安時代末期に「難波(なには)の方ではあしとだけいい、東(あづま)の方では、よしともいう」と記されているようです。
「吉原」ならぬ「ヨシ原」の中で、午後の作業が始まりました。
随分刈れました。
丁寧に整えます。