(ほったん)
今日は春季特別展を見に来たよ。ゴールデンウィーク中は人でいっぱいだったから、今日はゆっくり見学できるかな。今回はかなり下調べもしてきたから、楽しみで昨日は眠れなかったよ。
やぁほったん。今年の春季特別展も楽しんでね!
ほんとうだ。これはたくさんの展示品が並んでいる。どれどれ。
あっ!ほったん 今回の展示は入って左側から時計回りに見てほしいんだ。
まずは土器。土を焼いて器を作ることを発見したころから、縄文時代が始まったと考えればいいんだね。
それは火焔(かえん)土器と言って、新潟、長野、群馬、山梨の内陸の限られたところで見つかっていて、西日本ではこうした装飾はあまり発達していないんだよ。
そんなところにも地域性があるんだね。
派手好きな縄文人がいたのかな。
そういえば、ネットワーク広場に貼ってあるポスターにこんなのもあったよ。
これは山梨県にある県立考古博物館のポスター。なんと開会日もここの博物館と一緒だ。
とても変わったデザインで、穴がいっぱい開いてて前衛的っていうのかな。
次は弥生土器だね。縄文土器に比べて弥生土器は赤みが強く、文様も少ない質素な形だね。
時代が変わって人々の生活も落ち着いてきたからかな。
形や派手さだけじゃなくて、土器のつくり方も変化しているからね。
縄文と弥生、どちらも野焼きで作られているけれど、弥生土器は土器の上に藁(わら)やもみ殻などをかぶせた上に土で覆って焼く「覆い焼き」技法だったんだ。この方法だと高温で均質に焼けるようになって縄文土器より薄くて硬い土器を作ることができて、壷をはじめ、高坏(たかつき)や水差しなどいろんな形の土器がつくられたんだ。
今現在でも「水田稲作が始まって人々の生活に変化がもたらされた」時期をもって、弥生時代とすることに変わりはないんだ。
ただ、この「水田稲作が始まった時期」の判定が難しく、前にも言ったように日本列島は南北に長いため地域によるタイムラグが大きくて、「○年前」と一概に言いにくいんだよ。
じゃあ教科書に載っている時代は何に基づいて判定しているの?
それは、土器の研究や製作年代のはっきりしている青銅器(中国製の鏡やお金)の年代、そして科学的には“炭素年代法”などを根拠にしているんだ。
“たんそねんだいほう”ってなに?
正確には「放射性炭素年代測定法」と言うんだけど、動・植物は生きている間は常に食べ物や空気から炭素を体内に取り込んでいて、死ぬと取り込みが停止し、体内の炭素が少しづつ崩壊していく。そのスピードが物理学的に分かっているので、崩壊した炭素量を測定することによって年代を計るんだ。
土器の炭素量を測定するってこと?
土器は動植物じゃなくて炭素を取り込まないから測定は無理なんだよ。でも土器にくっついて出土したススやこげたコメ、貝がらなどを測定しているんだ。
これらの科学的手法も使って総合的に判断しているんだよ。
いろいろな角度から見て答えを導き出すんだね。
これは骨の折れる作業だ。
教科書の記述は変わらないかもしれないけれど、最新の調査では国立歴史民俗博物館が2001年から調査した結果、土器に付着した炭化物により弥生時代の始まりはこれまでの考えより500年ほどさかのぼるとの報告もあったよ。
う~ん。そんな発見があるようだと、教科書会社の人もゆっくりできないね。
ボクは鼻が利くから「におい測定法」でもできればいいんだけれど・・
将来の館長候補として新しい測定法を開発することを期待しているよ。
まかせといて!
って、そんな話ばっかりしていたら、まだ、土器のコーナーしか見られてないよ
春季特別展は6月28日までやっているから何回でも来たらいいじゃないか。
ぜひ、そうするよ!