梅の花もいよいよ満開です。
当館ホームページに新たに「遺跡公園の開花情報」というコーナーを設けましたので、お出かけの参考にしてください。
《トップページから「利用案内」の中にリンクを貼っています。》
梅(ウメ)は古代から日本人の生活に関わってきた植物です。
遺跡発掘時に、梅の種が出土することがあります。種は植物学的には「核(かく)」という名称のようですが、この部分はご存知のとおり、かなり堅い部分なので遺物として残る確率も高くなるのでしょう。(子どもの頃はこの種を噛んでその中身を食べたりしていましたが、今の私の歯では絶対無理だと思います)
この堅い部分の中にある食べられるところ「仁(じん)」は一般的には「天神様」と言われています。
これは学問の神様の菅原道真が梅を好んでいたところから、そのように呼ばれるようになったということなので、「頭が良くなりますように」と念じながら梅を観賞することで、何か御利益があるのではないでしょうか。 私も毎日眺めています・・・。
梅は中国からの外来植物です。
遺跡からは、弥生時代中期以降に出土しています。
用途ははっきりとはわかっていませんが、単に部材や食用としてだけではなく、薬用、または観賞用としても古代から日本人に親しまれてきたのではないでしょうか。
また、昔から親しまれていた根拠として『万葉集』があげられます。「梅」の字が入った歌が100首以上あり、この数はなんと桜の2倍以上になります。
奈良時代には梅は鑑賞用として梅を愛でる習慣があり、大伴旅人が「梅花の宴」が催した際には、「梅花歌32首」が披露されていました。
この「梅花歌32首」の序文が、今の年号の「令和」の典拠とされたため、よく知られるようになりました。
「初春令月、気淑風和、梅披鏡前粉、蘭薫珮後之香」からの引用だそうです。
〔初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す〕
意味は、「新春の好(よ)き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装よそおう白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりを漂わせている」です。【国文学研究資料館HPより】
たくさんの方々が公園内の至るところで写真を撮っておられます。
3月上旬までは楽しめそうですが、見るならやっぱり「今でしょう!」