3月11日、今年度最後の講演会“兵庫考古学研究最前線「社寺彫刻の考古学」”を開催しました。
講師は、兵庫県教育委員会文化財課の甲斐昭光課長。
当館の学習支援課長として勤務されていた学芸員ですので、このブログを読んでいらっしゃる方には、おなじみの方かもしれませんね。
今回の講演では、ご専門の弥生時代の話ではなく、どちらかというとマニアックな研究の発表をしてくださいました。職務を通じて興味を持った社寺彫刻の特徴を、考古学ならではの手法で分析した調査成果や楽しみ方を紹介されました。
兵庫県には6000ほどの社寺があるそうですが、甲斐課長は4年かけて3000か所ほどへ足を運ばれたそうです。まるで分布調査のようですね。
現地で、彫刻の記録写真を撮っておき、自ら図化されるのだとか。
「目で見てもわからなかった特徴が図化することで認識できる」とのこと。
そのうえで、
・地域別
・彫師、彫師一門別
・時期別
などの項目で県内の社寺彫刻を分析し、その特徴を解説されました。
これからの展望として、「更にたくさんの社寺を巡って調査を続け、五国それぞれの地域の分析を進めたい。また他県と比較して兵庫県ならではの特徴を見つけるのが楽しみ」
そして「それぞれの地域の価値を“おもしろい”と親しんでいただけたら」と講演を結ばれました。
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今年度も講演会をご聴講くださった皆さま、
また古代体験講座や色々なイベントにご参加くださった皆様、ありがとうございました。
来年度の予定をホームページに掲載しております。
いろんな講座や体験講座をご用意しておりますので、チェックしてみてくださいね。