(ほったん)
今日は特別展の銅鐸を見に来たよ。
実は兵庫県は日本一銅鐸が出土しているんだって。ボクも兵庫県民として鼻が高いよ(ゾウの鼻並みに)
「銅鐸」は弥生時代を代表する青銅器なんだよ。かっこいいね。
ところで、青銅器ってな~に? あの学芸員さんに聞いてみよう。
(学芸員)
青銅器は複数の金属を溶かして、混ぜあわせた「合金」の一種なんだよ。
「合金」ってなんかカッコいいね。ということは、これは特別な材料でできた高級なものじゃないの?
ところが、結構一般的にあるんだよ。
たとえば身近なものでは、お金だね。5円玉は銅+亜鉛、10円玉は銅+錫(スズ)、100円玉は銅+ニッケルの合金なんだ。
銅が主な材料となっていてプラスされる金属によって色が変わるんだよ。5円玉は黄銅、10円玉は青銅、そして100円玉が白銅というように呼ばれている。
銅鐸は銅と錫の合金なので青銅器と呼ばれるんだ。ただ、銅鐸には形を整える鋳造(ちゅうぞう)を簡単にするため鉛も混ざっているよ。
こちらの展示では、青銅に使われている金属の割合による色の変化が分かるよ。
なるほどね、でもよく考えてみると青銅って言っているけれど茶色じゃない?。茶銅が正しいと思うけど。
確かに元の色は赤みのある茶色から金色なんだけれど、実は銅は錆びやすくて、その錆は緑青(ろくしょう)と呼ばれていて青緑色をしているんだ。青銅というのは本来の色ではなくて錆びた状態を表しているんだ。
神種銅鐸(姫路市)復元品
松帆銅鐸1・2号(南あわじ市所蔵)
これは望塚(ぼんづか)銅鐸と復元したものと並べて展示しているけど、なるほど、こうしてみると色の変化がよくわかるね。
それにしても合金なんて、弥生人はそんな難しいことをよく知っていたね。
恐らく、手に入る金属を様々な割合で混ぜて、試してみたんだろうね。現代でも銅鐸を再現しようと実験してみたけれど、作業の途中で割れたり、穴があいたりの連続でかなり高度な技術と知識が必要だったんじゃないかな。
弥生人にとっては金属自体がそれ以前にはない未知の物質だったので、試行錯誤の連続だったと思うよ。
銅鐸の中には舌(ぜつ)という棒がぶら下がっていて、揺らすことによってカーンという金属音が響くんだ。木や石のぶつかる音しか聞いたことのない弥生人にとっては神の奏でる神秘的な音に聞こえたのかもしれないね。
展示室の外に実際に音の出せる銅鐸を置いているから見てきたらいいよ。
でも、注意して丁寧に扱ってね。
は~いわかりました。この学芸員さんは丁寧に教えてくれるけど注意が多いなあ。
これがその銅鐸か。
本当だ棒がぶら下がっている。
え~と中はどうなっているのかな?
なるほど、これは木でできた棒のようだな。それをひものようなものでぶら下げているぞ。弥生時代だから木の枝とか蔓(つる)などを加工して作っていたのかな。もう少し上の方を見てみよう・・
ガタッ!!
アレ!挟まってしまった。
がくげいいんさ~ん 誰か助けて~~
ほったんの銅鐸調査は次回へつづく・・